ITサポート

情シス不在の会社が最初に整えるべきIT体制——一人に背負わせない進め方

パソコンが動かないシステムの調子が悪い前のベンダーに聞かないと分からない。

情シス不在の会社が最初に整えるべきIT体制——一人に背負わせない進め方

「パソコンが動かない」「システムの調子が悪い」「前のベンダーに聞かないと分からない」。

情シス不在の中小企業では、こうした相談が総務や経理、現場リーダーに集まりがちです。担当者は日々の問い合わせに追われ、改善や見直しまで手が回りません。

この記事では、情シス不在の会社が最初にやるべきIT体制づくりを、現場で実行しやすい順番で整理します。

最初にやることは「担当者を決める」ではなく「困りごとを見える化する」

最初にやることは「担当者を決める」ではなく「困りごとを見える化する」

情シス不在の会社で最初に必要なのは、ITに詳しい人を急いで採用することではありません。まず、社内で何が起きているかを棚卸しします。

たとえば、次のような項目です。

  • パソコンやプリンターの不具合が月に何件あるか
  • 同じ情報をExcel、販売管理、会計ソフトに二重入力していないか
  • 退職者のアカウントが残ったままになっていないか
  • 契約中のITサービスと月額費用を一覧にできるか
  • 誰も中身を触れない塩漬けシステムがあるか

ここで大切なのは、問題を責めることではなく、数字で把握することです。「毎月20件のIT相談が総務に来ている」「受発注データを1日2時間かけて転記している」と書けると、役員会での判断材料になります。

IT相談の入口を1つにする

次に、ITの相談窓口を1つにまとめます。専任者がいなくても、入口を決めるだけで混乱は減ります。

よくある失敗は、社員がそれぞれ詳しそうな人に直接聞いてしまう状態です。これでは対応履歴が残らず、同じ問い合わせが何度も発生します。担当者の善意に依存するため、休職や退職で急に回らなくなります。

最初は簡単な表で構いません。問い合わせ日、部署、内容、対応者、解決したかを記録します。月末に見返すと、「パソコン設定が多い」「特定システムのエラーが多い」「同じ質問が何度も出ている」と分かります。

この記録は、外部に相談するときにも役立ちます。口頭の説明ではなく、実際の件数と内容を見せられるため、必要な支援範囲を絞りやすくなります。

権限と契約を棚卸しする

IT体制づくりで後回しにされがちなのが、ID、権限、契約の整理です。ここを放置すると、情報漏えいや無駄な支払いにつながります。

まず確認したいのは、誰が何を使える状態になっているかです。退職者のメール、共有フォルダ、業務システムのIDが残っていないかを見ます。管理者権限を持つ人が誰かも確認します。

あわせて、契約中のサービスも一覧化します。サービス名、月額費用、契約者、更新月、利用部署を並べます。数百名規模の会社では、部署ごとに似たサービスを契約していることがあります。月額数千円でも、重なると年間で数十万円になります。

この作業は地味ですが、体制づくりの土台です。新しいツールを入れる前に、今あるものを把握するだけで、無駄とリスクが見えます。

改善は「二重入力」と「止まると困る業務」から始める

改善は「二重入力」と「止まると困る業務」から始める

IT体制を整える目的は、問い合わせ対応を回すことだけではありません。現場の手戻りを減らし、業務が止まらない状態にすることです。

最初に狙いやすいのは、二重入力です。同じ顧客情報や注文情報を複数の場所に入れている作業は、ミスも時間も増えます。受発注をExcelで二重入力していた約240名規模の商社では、入力を1か所に集約したことで受発注工数が50%削減されました。

もう1つは、止まると困る業務です。請求、受発注、勤怠、在庫などは、担当者だけが分かる状態にしておくと危険です。画面の操作手順だけでなく、「なぜこの処理が必要なのか」も残します。

大きな入れ替えから始める必要はありません。1つの部署、1つの業務、2週間から1か月程度で小さく試します。削減できた時間、減ったミス、現場の負担を確認してから広げます。

外部に頼むなら「丸投げ」ではなく一緒に進める

情シス不在の会社では、外部パートナーの力を使う場面が出てきます。ただし、丸投げにすると、また社内に知見が残りません。

依頼するときは、次の3点を決めておくと進めやすくなります。

  • 社内側の窓口を1人決める
  • 判断した理由を短いメモで残す
  • 月1回、対応件数と改善候補を見直す

外部に任せる範囲は、問い合わせ対応、アカウント管理、システム棚卸し、改善提案などに分けられます。すべてを社内で抱える必要はありません。一方で、すべてを外に預けると、判断が社内に残りません。

丸投げでも自前主義でもない第三の進め方は、日々の対応を外部と分担しながら、判断材料と運用ルールを社内に残す形です。担当者が代わっても、何を見ればよいか分かる状態を作ります。

最初の30日でやること

最初から完璧なIT部門を作る必要はありません。まずは30日で、次の状態を目指します。

  1. IT相談の記録表を作る
  2. 契約中のITサービスを一覧にする
  3. 退職者IDと管理者権限を確認する
  4. 二重入力が多い業務を1つ選ぶ
  5. 外部に頼む範囲と社内に残す範囲を分ける

ここまでできると、情シス不在でも次の一手が見えます。採用すべきか、外部に任せるべきか、先に業務改善をすべきかを数字で話せます。

TaskBrainでは、2009年から15年以上、15名規模から1000名超まで120社以上のIT体制づくりを支援してきました。契約継続率は95%です。日々のIT相談対応から、塩漬けシステムの棚卸し、現場に知見を残す改善まで、社内のご担当者と一緒に進めます。

情シス不在の状態をどこから整えるべきか迷っている場合は、現在の問い合わせ件数、契約サービス、困っている業務を一緒に整理できます。

30分の無料相談はこちら

業務改善の着手順、PoCの判断材料、社内説明に使う数字を、続けて読める記事です。

回収できる改善テーマを、30分で一緒に絞ります。

「何から手をつけるべきか」「半年でどの数字を見るべきか」が曖昧な段階で相談してください。社内のご担当者と一緒に、業務の詰まり、費用レンジ、最初に試す1業務を整理します。

30分の無料相談を予約する

初回は課題の優先順位づけと、おおよその費用レンジ、最初の半年で動かす数字の見立てまで。確定見積もりは次回、現状を見てからお出しします。